3歳までが肝心!?汗にまつわる大事なはなし

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子供は汗だくになって遊ぶもの、そんなイメージがありますよね。
ところが、最近汗をあまりかかない子供が増えてきているのです。

暑い時でも汗をかけない体は、様々なトラブルを引き起こすことがわかっています。さらには、「低体温症」に起因する病気につながることも。

要因のひとつとして、3歳までの生活環境が挙げられます。今回は、子供が汗をかかなくなってしまう原因と問題点、そして対策について詳しくご紹介します。

汗の役割とメカニズム

人間の体には、熱をもつと汗をかき、体温を調節する機能があることはみなさんご存知でしょう。外気温が高い時はもちろん、風邪をひいて熱が出た時、運動した時、さらには食事を取ったときなどに体温が上がります。

人の体はタンパク質でできており、その生命活動は酵素のはたらきで成り立っているため、体温が上がり過ぎると生命を維持することができません。そこで、汗をかくことで体温を一定に保つことが重要になるのです。

汗をかくと体温が下がるのは、「気化熱」によるものです。液体が蒸発(気化)する時には熱が必要ですが、汗が蒸発するときに周りの体温を奪っていくのです。

だから、汗をかいたからと言ってすぐに乾いたタオルで完全に拭き取ってしまっては、いくら汗をかいても体温調節ができません。
そのままにしておくのが一番よいのですが、ベタベタして気持ちが悪い時には硬く絞ったタオルやウェットティッシュなどで拭き取り、体の表面に湿り気を残しておけば、体温を下げる効果が得られます。

さて、この汗が出てくる穴のことを「汗腺」と呼びます。汗腺は全身になんと200~500万も存在します。しかし、この全てから汗が出てくるわけではありません。汗腺のうち汗を出すものを「能動汗腺」と呼び、日本人では平均230万と言われています。

汗腺の働きは生活環境、特に外気温に影響を受け、東南アジアに住む人の能動汗腺は平均280万、ロシアに住む人は180万など差があります。

汗をかかない子供が増えたわけ

能動汗腺の数は体温調節機能に大きく関わります。そして重要なことは、能動汗腺が発達するのは生まれてから約3年間だけだということです。

つまり、3歳までに高い気温にさらされて育った方が、能動汗腺の数はより多くなります。そして、3歳以降は生涯、能動汗腺が増えることはないのです。

思えば昔は今のように冷暖房が普及しておらず、新生児といえども夏はうだるような暑さの中で生活していました。しかし現代は違います。あせもなどの皮膚トラブルや脱水症状を心配して、特に小さな子供は夏でもエアコンの効いた部屋で過ごすことが多くなってきています。

その結果、汗をかく機会が減った子供たちの汗腺は発達できず、汗をかかない体質へと育ってしまうのです。

汗をかかないことによる問題点

汗腺が発達せず、汗をかくことのできない子供には何が起こるのでしょうか。

夏バテしやすい

体の熱を発散することができないので、疲労が大きくなります。
他の子供に比べて夏バテが激しい……という時には汗をかかない体質が原因かもしれません。また、暑くなると機嫌が悪くなるのも汗をかかない子供の特徴です。

熱中症になりやすい

夏になると子供の熱中症のニュースをよく耳にします。「私たちが子供の頃はこんなに頻繁ではなかったけれど……」と思う親御さんも多いのではないでしょうか。

汗をかかない子供が抱えるトラブルのひとつとして、熱中症が挙げられます。気温が高い時や激しい運動をした時も、汗をかかないために体内の熱を発散できません。そのため、比較的短い時間であっても、熱中症にかかりやすい体質になってしまうのです。

怖い低体温症

体温が上がっても発汗で調節することができない、そんな状況が続くと、体の方が別の防御反応を取ります。生命活動による発熱をできるだけ低くするために、基礎代謝を低くするのです。これが、「低体温症」の原因です。最近は、低体温児が増えており、平熱が35℃台の子供も多く見られます。

基礎代謝が落ちる低体温症では、細胞の新陳代謝も活発ではなくなり、免疫力も低下します。風邪などの感染症にかかりやすく、そして治りづらくなります。花粉症など、アレルギー症状も出やすくなります。

また、全体的に不調、疲れやすい、元気がないといった状態が恒常的に続きがちです。「集中力がない」「キレやすい」といった問題行動も低体温症によって引き起こされ、学習や生活に大きな影響を与えてしまうのです。

「汗をかく体」を作るための対策

まだ小さい子供がいる家庭であれば、過度に空調の効いた部屋でばかり過ごすのではなく、汗をかく機会を作ることが大切です。紫外線対策をしっかりして、暑い日でも外で遊んであげましょう。

もちろん、猛暑日など特別暑い日は避け、熱中症対策のためにも水分補給は忘れずに。子供は体の不調を上手く訴えることができないこともあるので、大人が顔色や状態に変化がないか、注意深く見守ってあげましょう。

※湿度70〜80%以上では、気温25度でも熱中症の可能性があります。湿度、気温が高い日は、熱中症ご注意ください。
※総務省消防庁では、エアコン、扇風機を使用し、室温は28度以下にするよう呼びかけています。

「3歳を過ぎたらもう駄目なのか」とガッカリすることはありません。3歳以降、汗腺は増えませんが、より汗が出やすいようにトレーニングすることはできます。

効果的なのは、入浴の習慣。夏はシャワーで済ませがちですが、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる半身浴で、肩や背中に細かい汗がプツプツと出てくるまで入浴しましょう。

入浴後すぐにエアコンの効いた涼しい部屋で急激に体を冷やしてしまっては、せっかく開いた汗腺が十分に汗をかく前に閉じてしまうので効果も半減です。うちわで風を送る程度の涼を取りながら、汗が蒸発してゆっくり体が冷えるのを待ちます。

エアコンで急激に冷やすと、体表面は冷たくても体の深部には熱が残ってしまうのですが、こうしてゆっくりと体温調節すれば、夜間の寝苦しさも解消されます。

運動も汗腺のトレーニングに繋がりますが、急激に汗をかいてもあまり効果はありません。ウォーキングなど、じっくり汗をかける運動がおススメ。
ぜいぜい疲れるような運動ではなく、汗をかいてスッキリした、気持ちもリフレッシュしたと感じられれば、汗腺にとってもいい運動だったと言えます。

暑い日には涼しい屋内で過ごすのもいいですが、お子さんと一緒にお散歩して気持ちのいい汗をかいてみるのはいかがでしょうか。

参照/汗を出す機能は3才までに決まる! – 佐野薬局
Photo/LadyDragonflyCC – >;<

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