聞き返しが多い子供は注意!?聴覚処理障害(APD)かも?

聴覚処理障害(APD)

聴覚処理障害について、知っている方は少ないのではないでしょうか。

聴覚には問題がないのに、耳から入った音や言葉を脳で処理する過程がうまくいかず、学習やコミュニケーションに問題がある子供がアメリカでは2~3%いると報告されています。

日本での認知度はまだまだ低く、一般的な聴力検査では見つけることができないので、障害に気づかないまま言葉の発達の遅れに悩んだり、生活や学業に苦労している子供も……。

今回は、きちんと知って適切な対応をすることが大切な聴覚処理障害(APD)について詳しくご紹介します!

聴覚処理障害(APD)とは

人が音を聞くための器官はもちろん「耳」。しかし、その音が何の音であるか、どういう意味を持つ音(言葉)であるかを判断するのは「脳」です。具体的には、脳の側頭葉、聴覚野(ちょうかくや)という部分で音は処理され、理解されます。

この処理が何らかの原因でうまく働かない時に起こるのが、聴覚処理障害(Auditory Processing Disorders, 以下APD)です。つまり、「音は聞こえているが何を意味するのかわからない」という状況です。

APDには、以下のような症状が見られます。

  • ことばの発達が遅い
  • 「え?」「何?」など、聞き返しが多い
  • 騒がしい場所での聴き取りが苦手
  • 文字情報の方が正確に理解している(授業で板書がないと理解できない等)
  • 音韻が似ている言葉を聞き間違える
  • 言葉での指示に対して反応が遅れる
  • 聴覚的な記憶力が弱い

聴覚処理障害(APD)とは?より一部改変抜粋/小渕千絵(国際医療福祉大学準教授)ホームページ

なぜ気づかれにくいの?

聴覚に問題のある場合は、声掛けしても反応がないなど、音に対する反応の異変が分かりやすいため比較的すぐに気づくことができます。しかし、APDは聴力自体に問題は全くないので、聴力検査をしても見つけられません。

また、日常生活では聴覚だけでなく視覚や嗅覚など五感を使って情報を補うことが多いので、例えば、「今日の夕ご飯はカレーにしようかな」というお母さんの言葉が理解できなかったとしても、カレーを作る姿を見たり、その匂いを嗅いだりすればわかりますよね。

そんな繰り返しでつじつまを合わせて生活できてしまうので、周りの人には気づかれにくい、理解されないのがAPDなんです。

APDが生活や学習に与える影響

APDの症状によって生活が不自由になるのは事実です。軽い症状でも、早口の会話に付いて行けない、何度も聞き返してしまうなどの行動が見られます。また、「騒音が多い場所での聞き取りが苦手」であるAPDの子供にとって、学校生活は大変!勉学(特に言葉が重要となる国語や英語)に支障をきたす場合があります。

「ぼんやりしているけどちゃんと聞いているの?」

「同じことを何度も言っているでしょう!」

こんな不本意な叱られ方や勘違いをされてしまうこともあるのです。

理解と対応が重要

APDは軽いものから重いものまで症状はさまざま。また、聴覚による理解だけが難しいのであって、視覚その他の感覚を通しての理解には何の問題もありません。

つまり、APDであるということがわかっていれば、「短い言葉で伝える」「ゆっくりと話す」「文字と言葉の両方を使って伝える」などのちょっとした対応で、当人も周りの人もより楽に理解しあえるようになります。

また症状が重い場合も、対応した補聴器を使ったり、医師の指示により訓練を行うことで、聞き取りによる理解力が向上したり、言語能力が高まったりすることがわかっています。

「聞き取りが苦手」という症状は、APDだけに当てはまるものでもありません。まずはお子さんの様子を観察し、気になる症状が見られる場合は、かかりつけの小児科や耳鼻科で相談してみてはいかがでしょうか。

参照/
聴覚処理障害(APD)とは?
APD研究会

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